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Channel: 三陸海岸
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一句鑑賞

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句集「続南部郷」
小林凡石著
一句観賞

湿原や空より碧き沢桔梗

八甲田山の中腹から眺め
頂上の上の碧き空 それと対比している
湿原の沢桔梗 とくに空の色より碧き の碧さと沢桔梗の蒼色との対比が湿原
に純潔な少女を髣髴させる
奥深い偉大な大自然の風景にどっぷりと浸りたいものだ


妻の寝顔つくづく愛(かな)し虎落笛

長年連れ添った妻の顔──見ているだけで愛しくなる それが何十年も
愛(いと)しくなる それに虎落笛
愛の字を(かな)しと読ませ 最後に虎落笛の音 背中を寒気が走る

当選を墓前に報ず冬日中

凡石氏の長男
八戸市長に当選 さらりと報じている






地軸より轟く太鼓ねぶた来る

地軸って?
何百年も前の地層に宿っていた当時の太鼓の轟きが地軸を通して噴出しているのかもしれない
もしかしたら何千年前の勇壮な
太鼓の響きかもしれない 
地軸より轟く 地軸って?
 どのくらい深いのか 目をつむって聞いていれば 何千年も前の太古の重みが轟いているのかもしれない








妻病めば米磨ぐことも遠郭公

小林凡石氏は この度俳句会りんごの木の相談役になられるとか
主宰の北崎武氏「ちょっと女房にご飯食べさせてくるあいつのおせわになったもんだ」どこか似ている。
ぼくも同じ路を歩むようになるのかもしれない
先々月に書いた「林住期」人生のクライマックスはじつはこの後半、、ことに五十歳から七十五歳までの「林住期にあるのではないか、t最近つくづく思うようになってきたのである。
人生のクライマックスはじつはこの後半、、ことに五十歳から七十五歳までの「林住期にあるのではないか













初日の出紅の日矢一直線
暁闇の水平線や春兆し
妻の古希ポインセチアを一つ買ふ
寒の凪心をまろくまんまろく
冬没日心の襞に湧く血潮
母来るか老いの楽しみ日向ぼこ
七草の粥に癒さるる五臓六腑
初夢や女神のやうな妻の笑み
美しき魂たらん去年今年
白浪を押す白浪や四温光
虎落笛止みし静寂に天の風
日脚伸ぶ天地の鼓動高まりぬ

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